Event Report

開催報告

■テーマ
FPのための心理学「エンパシーと過去から何を学ぶか」

■講師
朝妻秀子氏

実施日 : 2021年8月19日

■会場
オンライン開催(Zoom)

■参加人数
15 名

■報告内容
今回のテーマは「エンパシーと過去から何を学ぶか」でした。
「相続」の相談事例を中心に、過去のとらえ方、エンパシー(共感)、マインドフルネスについて、心理カウンセラーの朝妻秀子先生からクライアントとの向き合い方や、相談を受けるときのテクニックを学びました。

相続案件では、相続人同士の意見が食い違うことがありますが、過去の自分が「満足」と思っていない出来事は、被害者意識が強くなり、客観的に自分が相手からどう見えているかが分からなくなるため、お互いの主張が嚙み合わなくなるそうです。
クライアントがその様な主張をしていると感じた時、「満足できていなかった過去の自分」にクライアント自身が気づくための相談テクニックを学びました。

また、クライアントから相談中に意見を求められた場合の答え方について、他人のせいにして自分がやらない理由にしているケースもあり、私たちFPを論破することで自分の意見を正当化しようとする心理になっている場合もあるので、そのような場合は一般論として数字を根拠に回答すると良いが「プロフェッショナルを見せること」に付け込まれないことも大事であるというアドバイスを頂きました。

「エンパシー」とは「共感」と訳されることが多いそうですが、その意味は、クライアントと全く同じ気持ちになることでは無く「自分の価値観は横に置いておいて、相手の考えや気持ちを理解すること」で、相手の身になって、相手の都合で考え、自分の価値観を切り離して考えることがとても大切であることを学びました。

また、過去を考えるとき、私たちの記憶は全てを正確に覚えているわけではなく、大部分は忘れられた出来事であって、現在の自分の解釈で過去をとらえています。
これから起こることを心配したり、頭の中で起こっている事と現実に起こっていることは別のものです。
過去を手放すことは難しいですが、過去のどこの部分にスポットライトをあてるかでネガティブな過去を再構築させることもできます。
このような考え方はマインドフルネスの考え方に関係しているので、次回のテーマとし、より深く学ぶことになりました。

今回のラボでは、自分の価値観を切り離して相手の都合で考えてみることの重要性と難しさをとても痛感しましたし、マインドフルネスの考え方にもとても興味を持ったので次回のラボ開催がとても楽しみです。
(清水 綾)

関連記事一覧